怖がりの私がホラー小説を読む理由
小さいころから私は本当に怖がりでした。
どのくらい怖がりだったかというと…
・家で「風の谷のナウシカ」を見ていたが途中で怖くなって、テレビを消してくれと号泣。
(王蟲が血を流すシーンが怖かった記憶。)
・親に連れられて見に行ったミュージカル?(※子供向け)が怖くて途中撤退。
(暗い空間が駄目だったんだと思う。)
・セーラームーンが怖くて見られなくて同世代の話題についていけない。
(セーラームーンの敵キャラ?が怖かったらしい。同様の理由でドラえもんやアンパンマンも時折見られなかった。)
など。
はい、製作者サイドが全く意図をしていない部分で勝手に怖がっていますね。
基本的に「不穏な雰囲気の中、主人公に不利な展開でこれから先どうなるか分からない」ってのが苦手だったのかもしれない。
ハラハラしちゃうような展開。
そんな私ですが、今やホラー大好きです。スプラッター心霊スリラー映画漫画小説なんでもどんとこい!
…といったことは全くなく、今でもホラー映画は全く見られません。
明るい場所でゆかいな仲間たちに囲まれてスマホのちっこい画面を薄目で覗くぐらいなら出来るかも。
(それはホラー映画鑑賞とは言えない。)
だけどホラー小説は結構読みます。むしろ好き。
なんで好きなのか?その理由を勝手にまとめました。
①短編が多くて読みやすい
いきなりホラー関係ねーだろ!っていう理由ですみません。
でもホラー小説って短編集が多いんですよね。文庫本1冊に3~6話くらい入ってるの。
この短さだと通勤中にぺろっと読めちゃう。
それに短編のわりにインパクト大!な作品が多いから読み切った感がすごい。
②あらすじが超気になる。
下にいくつかあらすじを載せています。もうこれだけで読みたくなりませんか。
飴村 行「粘膜人間」
「弟を殺そう」――身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐二は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲む“ある男たち”に依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか? そして待ち受ける凄絶な運命とは……。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。
身長195㎝体重105㎏の小学生ってどんなだ!
曽根 圭介「鼻」
人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、2人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが……。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。著者の才気が迸る傑作短編集。
え?どういう世界観? それと自己臭症の刑事が何の関係が?って思うよね。
遠藤 徹「姉飼」
さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は――。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい……。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集!
我々の知っている「姉」とは違うようだ…
③話が奇想天外。
登場人物の倫理観がぶっ壊れていたり、世界観がもうぶっ飛んでいたりとホラー小説の世界ではこちらの常識は通用しない。
私たちはホラー小説を読んでいる間、ただただ小説の中のその世界がどうなってしまうのか見届けることしか出来ないのです。
でもその不条理な話の中に書かれている、強烈な愛や友情、切なさや可笑しさが面白いのです。
こうやって書き出してみると、ホラーというよりは不条理・不思議な話が好きって感じなのかな。私は。
悪趣味だったりグロテスクだったり、なかなか人には進めにくいジャンルではあるけど本当に面白い作品が多いと思うのでみんなもっと読めばいいと思う!